🇫🇷 7月14日、フランス国民の祝日――歴史を思い、日常を味わう一日

7月14日、フランスでは「Fête nationale(国民の祝日)」として広く知られています。この日は、1789年のバスティーユ襲撃事件を起点としたフランス革命を記念し、自由・平等・友愛という共和国の理念を祝う特別な日です。
パリの街は朝から賑わい、シャンゼリゼ通りでは伝統の軍事パレードが華々しく行われました。空には戦闘機の軌跡がトリコロールを描き、地上では市民が歓声を上げながら祝祭の一日を楽しんでいます。
一方で、この祝日にはもう一つの側面もあります。バスティーユ襲撃は、多くの命が失われた歴史的事件でもあり、決して忘れてはならない「痛みの記憶」が刻まれた日でもあります。その意味を胸に、私は今日、朝から小さな追悼の気持ちを込めて花屋を訪れ、**桐花(とうか)**を買いました。静かな時間を大切にしながら、一輪一輪に思いを重ねました。
昼には、ベランダでささやかな餃子パーティーを。餃子は市販のものでしたが、熱々に焼き上げて、ピノ・ノワールの赤ワインとともに楽しみました。自家製の野菜料理も添えて、気軽ながらも味わい深いひとときを過ごしました。
午後は少し休憩したあと、お気に入りのブーランジェリー「ティーズ・ビスキュー(T's Biscuit)」へ。目に留まったのは、夏限定メニューのような**「マンゴーパッション」**というケーキ。ふわりと軽いムースの中に、濃厚なマンゴーソースがとろりと仕込まれ、上にはマカロンが可愛らしく飾られていました。口に入れた瞬間、マンゴーの酸味とパッションフルーツの爽やかさが広がり、まるで夏の陽差しを閉じ込めたかのような一品でした。
今日は、歴史を感じながら、自分自身の時間を丁寧に紡ぐことができた一日でした。バスティーユの日は、ただの「祝日」ではなく、過去と現在を結ぶ大切な節目の日。そんな一日を、美味しいものとともに、穏やかに、心豊かに過ごせたことに感謝しています。
来年もまた、こんな風に、この日を迎えられますように。



