🕊️ ラモンビルの斜面に佇む、美しい鳩小屋

フランスの小さな町ラモンビル。その山の斜面に、まるで時間が止まったかのような静けさを湛えた一つの鳩小屋を見つけました。
場所は、地元の人々に親しまれているパン屋さん「フレッド」の近く。用事の途中でたまたま通りかかったその瞬間、木々の間から現れた丸い塔のような建物に目を奪われました。

建物はしっかりとした造りで、ドーム型の屋根レンガの縁取りが特徴的。近くで見るとその保存状態の良さに驚かされます。まるで、昔の生活の記憶がそのまま残されているかのようです。


🏰 鳩小屋とは?

この建物は、フランス語で「pigeonnier(ピジョニエ)」または「colombier(コロンビエ)」と呼ばれる鳩小屋です。
中世から18世紀ごろまでにかけて建てられたもので、かつては貴族や裕福な農家の象徴とされていました。


🕊️ 鳩小屋の役割とは?

鳩小屋は、単なる飼育小屋ではありませんでした。そこには、当時の人々の生活や社会制度が色濃く反映されています。

  • 鳩の飼育と繁殖:内部には「boulins(ブーラン)」と呼ばれる小さな穴があり、そこに鳩が巣を作って暮らしていました。
  • 食料としての利用:鳩の肉や卵は、特に冬の食卓で重宝されていました。
  • 肥料の確保:鳩の糞は「グアノ」と呼ばれ、非常に栄養価の高い肥料として農業に利用されました。
  • 地位の象徴:かつてのフランスでは、鳩小屋を所有できるのは限られた階級の者だけ。「鳩小屋を持つことは特権」だったのです。

🌿 時を超えて残る風景

このラモンビルの鳩小屋がいつ建てられたのか、正確な年代は不明ですが、17世紀〜18世紀頃の建築様式である可能性が高いです。丸いフォルムや構造を見る限り、かつての農村地帯における鳩小屋の典型的な形をよく残しています。

今ではもう使われていないものの、このように静かに残っている姿を見ると、当時の暮らしや価値観に思いを馳せずにはいられません。


📸 訪れる人へのメッセージ

ラモンビルを訪れる機会があれば、ぜひ「フレッド」のパン屋さんの近くまで足を伸ばしてみてください。
小道の先に、そっと佇むこの鳩小屋が見つかるはずです。歴史と自然が調和する、まるで物語の中のような風景がそこにはあります。


ボンマダ商会のツイート

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